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ITスキルとは何か
2026年9月8日
システムエンジニアと聞けば、プログラムをすらすらと書き、複雑にして難解なる機械を自在に操る者を思ひ浮かぶ人、多かるべし。
もちろん、さうした技を持つことは大切なり。
されど、それはIT技術者に求めらるる力の、ほんの一部に過ぎぬ。
たとへば、プログラムを書く仕事があるとする。
ただ動けばよい、ただ処理が速ければよい、というものにあらず。
その仕組みを使ふ人に、迷惑をかけぬやうにせねばならぬ。
ネットショップにて買ひ物をしてゐたところ、システムの不具合により、買ひたかった品が買へぬ。 あるいは、画面に表示された金額と、実際に請求された金額とが異なる。
これでは、利用する者もたまったものではない。
また、便利に使ってゐたところ、思ひもよらぬところからウイルスに感染し、スマートフォンが使へなくなることもある。
プログラムを書く者には、かかる事が起こらぬやう、あらかじめ危険を考へ、対策を講ずる力も求められる。
「動くものを作る」だけでは、まだ仕事の半ばなり。
機械を扱ふ者もまた同じなり。
どれほど難しき機械を自在に操作できたとしても、その機械が安全に動くための環境を整へてゐなければ、安心して使ふことはできぬ。
補強すべきところを適当に済ませ、機械が倒れてしまふ。
あるいは、設置場所が暑すぎることに気づかぬまま使ひ続け、機械が壊れてしまふ。
これでは、機械を扱ふ技術がいかに優れてゐても、本末転倒といふものなり。
さらに、ITの仕事において、とりわけ大切なるものがある。
個人情報を漏らさぬことなり。
定められた規則や手順に従ひ、情報を適切に管理するための専門的な知識と技術。
そして、「漏らしてはならぬ」と自らを律する倫理観。
この二つ、どちらが欠けても事は成らぬ。
知識があっても、守る心がなければ危うし。
心があっても、正しく扱ふ技術がなければ、やはり危うし。
されば、ITスキルとは、単にプログラムを書けることでも、難しき機械を操れることでもない。
人を尊重し、礼儀をわきまへ、独りよがりになることなく、仲間と力を合わせ、定められたルールを守り、その仕事を通じて社会に役立たうとする姿勢。
これもまた、IT技術者に求めらるる大切な力なり。
思へば、ITといふもの、機械やプログラムを扱ふ仕事と思はれがちなれど、その実、最後に向き合ふ相手は人なり。
人のために作り、人のために守り、人に迷惑をかけぬやうに働く。
かく考へれば、IT技術者に必要なるスキルとは、技術だけにあらず。
技術を、人のために正しく使ふ力こそ、ITスキルといふものなのかもしれぬ。